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第67話 私なんか(1)

Autor: 酔夫人
last update Data de publicação: 2026-06-16 14:31:12

(そういえば)

実花は首を傾げた。

「東国さん、一つ気になることがあるのですが」

「何だ?」

実花は光也を見た。

「盾扱いの仮とはいえ私の婚約者に勝手になってしまって大丈夫なのですか?」

「何か問題があるか?」

何も問題は見当たらないという風情の光也に実花は驚く。

「東国家の許可は?」

光也が瞬きをした。

「許可?」

「そうです。東国家と藤宮家はつかず離れず、互いの領域には不可侵というのが暗黙の了解ではありませんか」

「なるほど。藤宮家ではそうなっているのか」

「東国家では違うのですか?」

「確かに距離を置けとは言われているが、結婚する間柄なら問題はない」

距離は置かなければいけない。

でも結婚するなら構わない。

「東国の男は性に奔放な無責任が多い。現当主の俺の父親は女に払う賠償金を稼ぐために仕事をしていると言っても過言ではない」

愛人の息子である自分もその賠償金で育った一人だと光也は言う。

内容からもう少し悲壮感があってもよさそうだが。

「ご自分のことなのに、あっさりしていらっしゃるのですね」

「同じ境遇の兄弟が十人近くいればこうなる」

「十人!」

「想像以上の放蕩っぷりだな」

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